例年より積雪が遅く、今冬は暖冬予想が出ていますが、
雪国あるある「結局帳尻が合うように雪が降る」。
12月半ばの先週末、ドカッと大雪降りました。
シーズン初めと終わりの湿った雪は本当に重たく、町民泣かせ。
そんな我が町は北緯45度に位置しているので、気候的には北欧的。
冬の0度は「あったかい」レベル。
日中はマイナス5度前後くらいで、朝晩冷え込むとマイナス20度は当たり前。
8月のブログでも話題にしましたが、そんな地域の我が町には、
第一次産業を支えるべく東南アジア諸国から【技能実習生】として
働いてくれている外国人のみなさんが150人近く住んでいます。
わたしが運営に携わっている町の子育てサポート拠点施設
「にじの森」は多世代交流施設でもあり、年に2回7月と11月に
リユース広場という子ども服や日用雑貨を無料で持ち込み、
持ち帰りできる“リユース品交換の場”をイベント開催しています。
町民だけでなく、町外からも子育て世代が利用するリユース広場に、
昨年から水産加工場などで働く技能実習生さんが、お仕事が終わった
18時頃や休日でにじの森が開館している時に来館してくれるように
なりました。リユース広場では、古着の大人服の回収は
残念ながらしておらず。理由は『集まりすぎてしまうから💦』
過去に一度イベントでやった際に、喜んでいただける反面、
大人服や衣類小物は、場合持ち込み多め 持ち帰り少なめ
で、処分と管理がとても大変だった経緯がありました。
そんな理由で古着は子ども服に限定していました。
でも、本格的に寒くなるのを前に暖かい国から来て、
日本の最北の地に近い枝幸(えさし)町で長い冬を過ごす
技能実習生の皆さんに「少しでも暖かく快適に過ごしてもらうには…」と
スタッフみんなでできることはないかと知恵を絞って、
今回試験的にチャレンジすることにしたのが、この企画。
試験的…ということで、衣類提供の声かけはSNSや施設の利用者さんに
声をかけるというクローズドな方法にしました。
技能実習生さんが20~30代の若い女性が多いということもあり、
若い方がチェックするSNSでの周知は、大正解!!
予想以上の衣類の点数と状態の良いものが集まりました。
2週に分けて開催し、のべ53人の技能実習生さんに暖かい衣類を
提供することができました。
今回の企画のきっかけは、技能実習生さんと同じ加工場で働く
地元の若いお母さんからの声。
「技能実習生の子達が、寒い恰好で仕事をしているから、
大人の服を彼女たちにあげたい…」とSNSにコメントをくれたこと。
私たちスタッフも、リユース広場に冬でも裸足にサンダル、
薄着の恰好で来館する技能実習生さん達の姿を見ていたので、
同じ気持ちでいました。
作ったポスターは、冬のイメージということもありますが
『思いやり』と『サポート』を意味を持つ水色に。
リユース広場と技能実習生応援企画の際は、案内表示も
日本語、英語、ベトナム語、タイ語の多国語表示にしています。
スタッフも、翻訳アプリを片手にはしていますが、
お互い片言の日本語と英語でのコミュニケーションは、
笑顔と身振り手振りに思いやりの気持ちを込めて対応しました。
私たちの予想より、利用した技能実習生が少なかったことと
彼女たちのニーズとマッチしていないカテゴリーの服が多かったなど
課題もありましたが、来てくれた方は、袋いっぱいに洋服をいれて
嬉しそうに帰っていきました。
試験的にやってみて、私たちの施設の広さとスタッフのマンパワーでは
定期開催は難しいというスタッフの結論になりましたが、
今回の取り組みをしたことで、若い方を中心に技能実習生のために!と
みなさんが行動してくれた!という成果が生まれました。
国や文化を超えて、同じ地域で暮らす者同士、
お互いを理解し、尊重し合える町に一歩ずつ近づけたかな。
リユースというモノの循環が、優しさや思いやりの循環に
なっていく…そんな想いを色のチカラも意識して企画しました。