【カラータイプ®✖地域で人づくり】リユースでつながる優しさの輪 2023/12/21

例年より積雪が遅く、今冬は暖冬予想が出ていますが、

雪国あるある「結局帳尻が合うように雪が降る」。

12月半ばの先週末、ドカッと大雪降りました。

シーズン初めと終わりの湿った雪は本当に重たく、町民泣かせ。

 

そんな我が町は北緯45度に位置しているので、気候的には北欧的。

冬の0度は「あったかい」レベル。

日中はマイナス5度前後くらいで、朝晩冷え込むとマイナス20度は当たり前。

8月のブログでも話題にしましたが、そんな地域の我が町には、

第一次産業を支えるべく東南アジア諸国から【技能実習生】として

働いてくれている外国人のみなさんが150人近く住んでいます。

わたしが運営に携わっている町の子育てサポート拠点施設

「にじの森」は多世代交流施設でもあり、年に2回7月と11月に

リユース広場という子ども服や日用雑貨を無料で持ち込み、

持ち帰りできる“リユース品交換の場”をイベント開催しています。

町民だけでなく、町外からも子育て世代が利用するリユース広場に、

昨年から水産加工場などで働く技能実習生さんが、お仕事が終わった

18時頃や休日でにじの森が開館している時に来館してくれるように

なりました。リユース広場では、古着の大人服の回収は

残念ながらしておらず。理由は『集まりすぎてしまうから💦』

過去に一度イベントでやった際に、喜んでいただける反面、

大人服や衣類小物は、場合持ち込み多め 持ち帰り少なめ

で、処分と管理がとても大変だった経緯がありました。

そんな理由で古着は子ども服に限定していました。

でも、本格的に寒くなるのを前に暖かい国から来て、

日本の最北の地に近い枝幸(えさし)町で長い冬を過ごす

技能実習生の皆さんに「少しでも暖かく快適に過ごしてもらうには…」と

スタッフみんなでできることはないかと知恵を絞って、

今回試験的にチャレンジすることにしたのが、この企画。

試験的…ということで、衣類提供の声かけはSNSや施設の利用者さんに

声をかけるというクローズドな方法にしました。

技能実習生さんが20~30代の若い女性が多いということもあり、

若い方がチェックするSNSでの周知は、大正解!!

予想以上の衣類の点数と状態の良いものが集まりました。

2週に分けて開催し、のべ53人の技能実習生さんに暖かい衣類を

提供することができました。

今回の企画のきっかけは、技能実習生さんと同じ加工場で働く

地元の若いお母さんからの声。

「技能実習生の子達が、寒い恰好で仕事をしているから、

大人の服を彼女たちにあげたい…」とSNSにコメントをくれたこと。

私たちスタッフも、リユース広場に冬でも裸足にサンダル、

薄着の恰好で来館する技能実習生さん達の姿を見ていたので、

同じ気持ちでいました。

作ったポスターは、冬のイメージということもありますが

『思いやり』と『サポート』を意味を持つ水色に。

リユース広場と技能実習生応援企画の際は、案内表示も

日本語、英語、ベトナム語、タイ語の多国語表示にしています。

スタッフも、翻訳アプリを片手にはしていますが、

お互い片言の日本語と英語でのコミュニケーションは、

笑顔と身振り手振りに思いやりの気持ちを込めて対応しました。

 

私たちの予想より、利用した技能実習生が少なかったことと

彼女たちのニーズとマッチしていないカテゴリーの服が多かったなど

課題もありましたが、来てくれた方は、袋いっぱいに洋服をいれて

嬉しそうに帰っていきました。

 

試験的にやってみて、私たちの施設の広さとスタッフのマンパワーでは

定期開催は難しいというスタッフの結論になりましたが、

今回の取り組みをしたことで、若い方を中心に技能実習生のために!と

みなさんが行動してくれた!という成果が生まれました。

 

国や文化を超えて、同じ地域で暮らす者同士、

お互いを理解し、尊重し合える町に一歩ずつ近づけたかな。

 

リユースというモノの循環が、優しさや思いやりの循環に

なっていく…そんな想いを色のチカラも意識して企画しました。