【カラータイプ®×インテリア】多彩なタイプを魅せる芸術品 2019/8/26

人にはその人だけの物語があります。

それは建物も同じ。

建築物の歴史や関わった人間模様・・・

そこにある背景を感じ、触れる時間が好きです。

【色のチカラ】をテーマに活動中の

カラータイプ1級インストラクターさとい あつこです。

第二次世界大戦の戦禍を生き抜いた『綿業会館』へ行ってきました。

概要

近代的なビルが立ち並ぶオフィス街で

異彩を放つ歴史を感じさせる石造りの外観の本館は

国の重要文化財に指定されています。

国内外にて栄華を極めた本会館竣工は昭和6年。

同時期行われた大阪城再建費用の48万円に対し

本会館費用は150万円!
そこからでさえ尽くされた贅が推察されます。

訪館者も歴代首相など歴史上に名を残す人物ばかりで

中にはルーズベルト大統領夫妻やヘレンケラーなども。

クラシックな外観の内部は?

期待に胸を膨らませ扉を開けると、果たして・・・

落ち着いた佇まいの外観と一線を画す

豪奢なシャンデリアに度肝を抜かれ(笑)

以降は、華麗な世界が目の前に広がり続けます。

オペラ座を彷彿させるエントランス右手には

目を見張る豊かな天井装飾が印象的な会員食堂、

高級なしつらえと一目でわかる調度品と

細やかな天井レリーフが華やかな特別室、

アンモナイトが見事に浮き出た大理石が印象的な鏡の間、

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そして本会館のハイライトともいえる、

圧巻の秦山タイルタペストリーが壁面を飾る談話室。

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多彩な様式美

概要で触れたように本館来訪者は世界各国の重要人物の数々。

来訪者の幅広い嗜好・用途に応えるべく

本館は各部屋によりインテリア様式を変えているのも特徴の一つ。

具体的にはエントランスの華やかなルネサンス様式、

豊かさとシックさの装飾、会員食堂のネオジョージアン様式、

繊細で女性的な特別室のクィーンアン様式など常に多彩。

インテリアの歴史・様式が一気に学べる

稀少なスポットとも言えるバラエティ豊かな内部。

一つの建築物としてまとまりがあることが奇跡のように感じます。

世界各国よりの来賓者同様、

建築自体が異文化交流を体現しているのですね。

 どの部屋も随所に見せ場があり芸術的な意匠。

よくぞ現在まで当時の姿をとどめたものと感動せずにいられません。

激動の時代を生き抜いた芸術品

第二次世界大戦時、周囲は焼け野原だったといいます。

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激しい戦禍の中、

綿業会館の損害は窓ガラスが一枚割れ

カーテンが少し焼けただけだったといいます。

これは重厚な石造りとタイル、

そしてフランス製防火ガラスが本会館を守り抜いたから。

大戦後も・石油ショック・阪神大震災など

昭和の激動をくぐり抜けた

その風格ある姿に感服せずにはいられません。

綿業会館は現在、取扱う製品は変わりましたが

産業界を牽引するリーダーが集う場として今も活躍しています。

カラータイプ的視点で見ると

 

風格の茶色、

時代のリーダーたちが集う場に相応しい華やかさの赤色、

国内外綿業界のカリスマに相応しい存在感のゴールド。

多用な様式同様、様々なカラータイプが混在する本館。

あなたはどのタイプを感じ取りますか?

そんな視点からも堪能できるスポットですよ^^