【カラータイプⓇ×教養】其の拾陸~紫式部の色彩観~ 2019/5/25

こんにちは。
【カラータイプⓇ×教養】シリーズを担当させていただきます 武田みはる です。
昨年からのシリーズで、すでに15回発信しております。
引き続き今月からも教養シリーズを担当させていただきますのでよろしくお願いします。

このシリーズでは、日本の伝統色や古典をカラータイプ視点で読み取るラテラルシンキングで書いております。
お堅いイメージの古典をカラータイプで読み取るとどうなるのか、
普段は気にしない日本の伝統色を横軸(カラータイプⓇ)で切り取るとどうなのかなど、
やや毒舌交じりに発信しております。

日本には古来より色彩豊かな文化があり、
日本人には微妙な濁色を見分ける美意識が備わっています。


平安時代の十二単の『襲の色目』がその代表で、
着物の表と裏布の色の配色で季節やその人のセンスを表現していました。
春ならば紅梅かさね、夏なら菖蒲かさね、
秋なら紅葉かさね、冬は氷かさねといった具合です。

高貴な生まれの女性は、深窓の姫君として
男性に顔を見られることは決して許されませんでした。
よって、着ている衣の色合わせでセンスや人柄を推し量っていたのです。

源氏物語を題材に取り上げているのも

女人の衣装の色に個性が出ているからですが、

そこには作者の紫式部の独特の色彩観が垣間見られます。

 

シリーズでも書きましたが、

光源氏の女人の一人に身分の低い「空蝉」(うつせみ)という女性がいます。

彼女は地方の受領の後妻で、のちに夫に先立たれ出家します。

空蝉のことを忘れられない光源氏は、

尼になった空蝉を六条院に引き取ってお世話します。(このあたり光源氏のマメさがでてます(笑)

光源氏が空蝉に贈った衣装は

青鈍・紅・梔子・茜

現代でいうとブルーグレー・赤紫・橙。

当時、出家した人間は赤や紫、橙などは禁色といって着ることがタブーとされていました。

現代でもお坊さんは赤の袈裟など着ていないですよね。

ところが、紫式部は尼姿の空蝉に紫や橙色を着せるのです。

光源氏の空蝉に対する未練を表す色という表現で。

ここに、「人は似合うものを着るべきだ」という紫式部の独自の色彩観がにじみ出ています。

 

1200年前の封建時代にあって、モラルにとらわれず

似合うものを着るべきと主張する紫式部は

きっとターコイズ創造タイプのひとであっただろうと思われます。

 

これからも源氏物語や他の古典を題材に

カラータイプⓇ×教養シリーズを毎月25日に発信していきます。よろしくお願いいたします。

過去の記事(空蝉編)はコチラ

 

協会マーケティング開発チーム  武田 みはる

HP

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