【カラータイプⓇ×教養】源氏物語其の弐拾弐~不倫の果て・柏木編~ 2020/2/27

こんにちは。

教養ブログ担当の武田みはるです。

教養シリーズも22回目となりました。

今、ネットやワイドショーを賑わせているのは、新型コロナウイルス某俳優の不倫問題

好感度の高い俳優の不倫とあって、なかなか収拾がつきませんが、

源氏物語にも恋で身を滅ぼした男性が登場します。

奇しくもタイムリーな男となった『柏木』を取り上げたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

引用元:大和和紀「あさきゆめみし画集下巻」

 

柏木(かしわぎ)は光源氏の永遠のライバル「頭の中将」の愛息にして,夕霧(光源氏の息子)の親友です。

時の左大臣の嫡男とあって、将来を嘱望された優秀な青年でした。

よくデキる親には無精な息子という例もありますが、柏木は親の七光りではなく、

才芸豊かで和琴や蹴鞠、特に笛に関しては並ぶ者がいないと言われた才能を持っていました。

光源氏の息子の夕霧も文武両道のイケメン貴公子ですが、

柏木はリーダーシップに秀でた頼りがいのある美青年でした。

そんな将来有望な柏木が「道ならぬ恋」に落ちて

身を滅ぼしてしまうのです。

今も昔も不倫で身を滅ぼすとは・・・変わりませんな・・・

 

柏木は独身貴公子ですから不倫ではありませんが、

恋に落ちた相手が悪かったのです・・・

ときの準太上天皇・光源氏の正妻「女三宮」内親王ですから~

かねてから内親王を嫁にもらいたいと嘱望していた柏木が

ひょんなことから「女三宮」の姿を垣間見てしまい、

その可憐な姿に一目ぼれしてしまうのです。

寝ても覚めても女三宮のことが忘れられない柏木は、

光源氏が居ない隙に女三宮のもとに忍び込み、関係をもってしまいます。

結局、光源氏に二人の関係がバレて、罪の意識と光源氏を怖れて病に伏してしまい

そのまま儚く亡くなってしまうのです。

 

大胆なことをする割には、露見したときにはおろおろして一気に崩れていく。

 

仕事や勉学は真面目にコツコツと積み上げていく堅実タイプですが、

本来の気質は、甘えん坊で誰からも好かれたい「ピンク」が多分に表れています。

バレた時に周りの目を気にしておろおろするデリケートな「グレー」も。

精神が病んで、身体も病んでいくなんて、「グレー」の高い協調タイプさんでしょう。

こういうタイプには、周りに打ち明ける相手がいると良かったのですが、

なにぶん「道ならぬ恋」ですからそれもできず・・・

協調タイプの柏木から見ると、光源氏は「完璧主義」の「真っ白」に見えたことでしょう。

とにかく優秀なわりに「脆いオトコだな~」という印象が拭えません。

 

命を懸けて愛した女(ひと)にも逢えず、

生まれてきた息子(薫)を見ることも叶わず、

失意のままに死んでいく柏木。

自業自得といえばそうなのですが、

1300年前に不倫の果てを描いた源氏物語は、

『人は過ちを犯すもの』

『犯した後の振舞いに人智が現れる』

と教えてくれているようです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

CTA1級インストラクター

kotonoha代表  文章スタイリスト

武田 みはる

HP https://kotono-ha.com